車査定とは縁がなかった私
父が倒れてからしばらくたったときのこと。我が家は当時庭が広かったこともあるので、当初はあまり問題がなかったのですが、父が乗っていた自動車をどうするかという話もちらっと出てきました。きっかけは車検。車検が切れるから更新しなくてはいけないという内容でしたが、ここで母と夫と私の会議が行われたんです。とりあえず今のところは乗らないし、万が一父が元気になっても二度と自動車を運転することは皆無。
とはいえ我が家にも自動車があるわけだから、維持していくことを考えるとこの車を処分するのが妥当かなという結論になりました。父の車は新車で購入したものの、もう十年程度乗車していることもあり、決して高値を希望出来ないということ。ついでにカーナビはないし、オーディオもCDがないという古さ。「これじゃ、車査定に依頼しても難しいと思う」という夫の言葉に納得しまして、我が家は父の愛車をディーラーさんにただで引き取ってもらうことにしました。
あのとき車査定にお願いしてもよかったんですが、なにせ車検の時期まであとわずか。ついでに全然車に乗っていなかったから、バッテリーがあがって動かないというコンディション。こうなるとかなり不利な条件かなと思ってしまって、すっかりやる気がなくなってしまったというのも事実です。しかし今でも父の乗っていた車がディーラーさんによって引き取られていく後姿を思い出すと、なんだか妙にしんみりします。当時、まだ父は生きていましたが、それでも父のものがひとつなくなったんだと感じると、切なくなったものです。